追悼 北の富士勝昭さん
大相撲中継の解説でおなじみの北の富士勝昭さんが去る11月12日、都内の病院でお亡くなりになりました。
私の大好きな千代の富士さんのニックネーム「ウルフ」の考案者であるだけでなく、しこ名の由来にもなった方*1であることと、着物やスーツ、赤い革ジャン、TシャツにGパンと言ったカジュアルな格好もおしゃれに着こなすだけでなく、ダンディーで女性にモテる艶っぽい話題に事欠かなかったりという面だけでなく、解説の際のコメントも辛口ながら愛もあり、そしてコメントの数々も粋で素敵な方でした。
そのなかでも、私が思わず「くすっ」と笑ってしまったエピソードを幾つか挙げます。
- 孫弟子*2の千代丸を「千代丸たん」と呼ぶ
- 栃煌山に「シャケ」というあだ名のついた由来*3
- あまりにも内容の薄い取組に対し、「あ、寝てて覚えてないよ」とすっとぼけたことをいう。
- 「明生」を「みょうせい」と読み間違える
- 「大の里と豊昇龍が推し」と言う
最近では「国技館のお土産」としてだけでなく「料理するのが面倒だけど、取り敢えずしっかり食べたい」ときにおすすめな「北の富士カレー」を考案して人気商品にしたりと「粋で元気なおじさんだな」と思っていました。
↑からも「北の富士カレー」を購入いただけます。国技館や両国駅の売店以外でも、北野エースや紀伊国屋と言ったスーパーマーケットや、築地のもち吉さんでも購入いただけます。
現役時代は横綱まで登り詰め、玉の海さんとともに切磋琢磨して一時代を築き、引退後は九重親方として千代の富士、及び北勝海*4の両横綱を育て上げた名伯楽であったと同時に、おそらくは天性の「人たらし」とでも言うべき、人を引き付けてやまないユーモア溢れる表現や粋なコメントでお茶の間の大相撲ファンを楽しませてくださいました。
また、人情味あふれるお人柄や相撲愛は後輩の力士や親方衆にも知られ、孫弟子に当たる千代大海や隠岐の海への愛ある厳しい愛弟子の千代の富士さんが膵癌でお亡くなりになられた際、憔悴しきっていたことを覚えています。
長きにわたってご活躍なさった北の富士さんへ、心から哀悼の意を捧げるとともに、関係者の方やご家族様へ、謹んでお悔やみを申し上げます。
合掌
最後に一言。
大相撲中継で北の富士さんの訃報が流れたときに「がっかりした」と宣った舞の海さんへ。
解説者なのですから、言葉を大切にしてください